実施報告

体験プログラム③実施報告~最先端の治療法がもたらす価値と、患者さんとご家族の物語にふれてみよう~

体験プログラム③実施報告~最先端の治療法がもたらす価値と、患者さんとご家族の物語にふれてみよう~

「日本で最先端の治療法が届かないのはなぜ?」というテーマのもと、体験や学びを経て、学生同士で資材を制作し、その資材を広く情報発信していく今回の企画体験プログラム②に続いて、体験プログラム③は、“最先端の治療法がもたらす価値と、患者さんとご家族の物語にふれてみよう”というテーマで開催しました。

 

体験プログラム③概要

日時:2025328日(金)

場所:アステラス製薬本社、分身ロボットカフェDAWN ver.β

主な内容:

 

五十嵐中先生の講演では、日本の保険制度の現状と課題、治療がもたらす多様な価値についてお話いただきました。限られた医療資源の中で、どの治療を優先すべきかを考えることの難しさや、治療がもたらす価値は人によって異なること、そして数値では測れないけれども大切な価値もあることなど、学生の皆さんは、先生からの問いかけに悩みながらも真剣に考え、医療や治療法について、「自分ごと」として捉えるきっかけになりました。

学生と双方向での講義を実施いただきました

映画「奇跡の子供たち」は、日本にわずか3しかいない希少難病の患者さんとその家族を、10にわたって追い続けたドキュメンタリーです。患者さんとご家族の生活やケアの様子を知ると共に、遺伝子治療を受ける機会を得たことで、この患者さんのケースでは、首が座るようになり、自分の意志でものを掴んだり、歩行器を使って歩き始めたりと、まさに奇跡のような変化が起きたことを知ることができました。学生からは「遺伝子治療の偉大さを知った」「治療によって患者さん、ご家族、そして主治医の先生が笑顔になったのが印象的だった」「患者さんにとって遺伝子治療は大きな希望だと思った」等のコメントがありました。

Innovation for NEW HOPE発起人 小坂仁氏は、映画で描かれた「AADC欠損症」の治療にも携わっている小児科医です。遺伝子治療について、その発展の歴史や実際の治療例、そして医療者としての想いなどをお話しいただきました。治療法が確立されることで、拡大新生児スクリーニングのようなシステムが整備され、疾患の早期発見や命を救うことにつながること、そして患者さんやご家族、医療者、研究者の方々が同じ想いで新たな治療法に挑戦している姿に、とても感銘を受けました。

最先端の治療法に対する熱い想いをお話いただきました分身ロボットカフェではパイロットとして働く患者さんたちと対話を行いました。株式会社オリィ研究所が運営するこのカフェは、さまざまな理由で移動することが困難な方々が、分身ロボット『OriHime』&『OriHime-D』を遠隔操作し、サービスを提供しています。テクノロジーによって、「社会の一員としてのやりがいができた」と、生き生きとお話される姿がとても印象的でした。ご自身の病気と向き合いながらも前向きに行動し続けているパイロットの方々と直接お話をするなかで、私たち自身も、最先端の治療法が届く社会を実現するために挑戦したいという想いが、より一層強くなりました。

学生からのたくさんの質問にお答えいただきました

本企画は体験プログラム④へと続きます。引き続きご期待ください。

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