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ガン治療にも革新?「遺伝子治療」がカギを握る"イノベーション"の最前線」

ガン治療にも革新?「遺伝子治療」がカギを握る"イノベーション"の最前線」

資源を持たないとされる日本は、これまで「イノベーション」によって世界に存在感を示してきました。日本は特に医学を含む自然科学系でのイノベーションが強く、最近では遺伝子治療の研究が注目されています。

“Innovation for NEW HOPE”は、「日本で最先端の治療法が1日でも早く、継続して届く社会の実現」を目指すプロジェクトです。

“Innovatio for NEW HOPE”では今回、ビジネス映像メディアNewsPicks内の番組「NewSession」とタイアップ番組を制作し、「イノベーションが「強い日本」を創る〜遺伝子治療のポテンシャルに迫る〜」というテーマで、3名の識者と対談を行いました。

※NewsPicksの対談動画はこちらからご覧いただけます。

番組内では、イノベーションや遺伝子治療に関する3つのポイントでディスカッションが行われましたが、今回は、”Innovation for NEW HOPE”プロジェクトを推進する上でも重要な「イノベーションへの挑戦」について、各参加者の意見を元にどうあるべきか見ていきたいと思います。 

01.ゲスト紹介

小坂仁 先生(自治医科大学 小児科学教授)

・自治医科大学とちぎ子ども医療センター センター長
・東北大学医学部を卒業後、カリフォルニア大学サンディエゴ校博士研究員、神奈川県立こども医療センター神経内科部長などを経て、2013年より現職。
・日本ミトコンドリア学会理事長、日本小児神経学会理事、日本小児神経学会関東地方会運営委員長、日本小児科学会代議員、日本てんかん学会評議員、国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラム評議員、神経代謝病研究会幹事、Brain and Development編集主幹。

小川隆 さん(株式会社MOLCURE 代表取締役CEO)

・慶慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 博士。在学中の2013年にMOLCURE(モルキュア)を創業。
・ビジネス創造コンテスト最優秀賞(2014年)、The Venture 日本代表(2016年)など受賞多数。

藤野英人 さん(レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役会長兼社長)

・東京理科大学上席特任教授、叡啓大学客員教授、淑徳大学地域創生学部客員教授。
・中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネージャーとして豊富なキャリアを持つ。
・投資信託「ひふみ」シリーズ最高投資責任者。 
・YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」など投資啓発活動にも注力する。

※司会:金谷亜美(NewsPicks Studios エディター)

02.イノベーションに必要な発想の転換とは?

まずは、イノベーションに必要な発想の転換について、実際に事業の立ち上げを経験されている小川さんに伺いました。

小川さん:


株式会社MOLCUREの創業当時は「AI」のようなワードはなく「機械学習」というワードが使われていました。
事業を紹介する際に「機械学習で分子を設計する」と話しても、色々な方から「無理なんじゃないか」とか「もっと実験の勉強をしないとだめ」とか、否定されたり怒られたりすることが多かったですね。 

しかし、イノベーションを起こしたいと思っている側からしたら、このように言われることを「壁」と捉えるのではなく、「当たり前のこと」だと捉えることが大事だと思います。
それだけ怒られるということは、普通の会社の会議じゃ絶対通らないと思うので、大きな会社が敵になりづらいという見方もできますよね。これがメンタル面で折れないために重要になる考え方だと思っています。

小坂先生:

先日お会いしたベンチャーの社長さんから「大企業に入ることも考えたが、好きなことはやれないのはすごいリスクだ」とお話を聞きました。チャレンジすること自体尊いことで、失敗しても立ち直れて、安定よりも「自由」をとる若者が増えてくる社会にすることが大事だと思います。

03.イノベーションのカギは投資家の「美点凝視」

ベンチャー企業に対して投資家が持つべき観点として「美点凝視」が大事だと話してくれたのは、投資家の藤野さんです。

藤野さん:


 

まだ売上などの成果も何もないベンチャー企業に対して減点法で見てしまうと、マイナス100点になってしまうので、ここで「美点凝視」が重要になってきます。
「何もない中に良いところを発見し、そこを凝視する力」がベンチャーキャピタルに求められる力だと考えています。

小川さん:

「第三者から見たら、イノベーションみたいなものは、よくホラに見える」ため、一見、ホラに見えるイノベーションの種にしっかりと投資が出来るように、ホラかどうかを判定するところにコストをかけていただくことが大事だと思います。

藤野さん:

私もいつも同じことを話すのですが、新しいことは嘘のように感じてしまうため、「起業家には白いホラふきと黒いホラふきの2種類の人がいるから、これを見極めるべき」と言っています。
「白いホラふき」は言っていることが嘘に聞こえるが、しっかり筋が通っていて大きなことをしようと思っている方です。
気をつけないといけないのは、実は裏で嘘をついている認識を持っている「黒いホラふき」です。ですので、ここを見極めようという話をいつもしています。

04.「知恵・お金・思いやり」でイノベーションを起こす

最後に、日本でイノベーションを起こしづらい要因と、イノベーションを起こすために何が必要になるか、小坂先生に伺いました。

 



 

小坂先生:

若い方はみんな種を持っていて夢を描くのですが、それが若葉になって周りが援助してくれるようになるまでの果てしない部分を自分がやり切れるのか不安になるのだと思います。

種から成長するまでにはリスクが相当あるので、自分の種が最終的には咲かなかったとしてもなんとかなる、それを失敗と思わない社会が大事だと思います。
種はみなさん持っているから、夢をみてそれを大きくできるような社会が大事なのではないでしょうか。

また、有名になりたいとかポジションを得たいというだけでは続かないため、イノベーションを起こすためには「ビジョンやパッションがあるか」が重要だと思います。そしてそこに精緻なサイエンスが加わるかどうか。

あとは、自分の種から芽が出て木になるまでには嵐がきて倒れそうになりますよね。
その時に社会として支える、つまりはレジリエントな社会とか個人を育てていくことが大事だと感じています。

金谷さん:

小坂さんが発起人のお一人として活動されている”Innovation for NEW HOPE”というプロジェクト名に「イノベーション」と「新しい希望」が入っているのにも、そういった想いが込められているのでしょうか。

小坂さん:

「日本で最先端の治療法が1日でも早く、継続して届く社会」の実現のために、イノベーションに挑戦しているのですが、やはり「知恵」が必要ですし、「お金」が必要ですし、「思いやり」が必要ですよね。それらを循環させて、次の世代で良い形に引き継いでいくことが重要だと思います。

05.まとめ

この記事では、「ガン治療にも革新?「遺伝子治療」がカギを握る"イノベーション"の最前線」というテーマで行われた対談の一部を紹介しました。

動画内では、記事で取り上げた内容以外にも、
・「イノベーションが日本を強くしてきた」では、日本で医学を含む自然科学系のイノベーションが強いことについて
・「ポテンシャルを秘める遺伝子治療」では、遺伝子治療のメカニズムや可能性について
などに関しても、対談が行われています。

本記事でご紹介しきれていなお話が多くありますので、ぜひ動画本編も合わせてご覧ください。

 

“Innovation for NEW HOPE”プロジェクトは、「日本で最先端の治療法が1日でも早く、継続して届く社会」の実現を目指し最先端の治療法に関わる情報を発信していきます。 

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