小坂氏の取り組み紹介 ~第23回市民公開セミナー「先天性大脳白質形成不全症の克服に向けて」~

小坂氏の取り組み紹介 ~第23回市民公開セミナー「先天性大脳白質形成不全症の克服に向けて」~

Innovation for NEW HOPEプロジェクト委員の小坂仁氏(自治医科大学)からのお声がけにより、「先天性大脳白質形成不全症の克服に向けて 第23回市民公開セミナー」に参加しました。

この記事では、セミナーに参加したInnovation for NEW HOPEプロジェクト運営企業から当日の様子をご紹介します。

 

本セミナーは、先天性大脳白質形成不全症リサーチネットワークと先天性大脳白質形成不全症家族会との共同開催*により、小坂氏をはじめとする多くの医師や、ボランティアの方々とともに運営されています。

今回のテーマは「トランジション~移行~」で、お子さんが成人期を迎える際の病院や福祉制度の変化・移行について取り上げられました。今年は講演の前に小坂氏を中心に個別相談が行われ、先生方とご家族が近況を報告し合うなど、温かな時間が流れていました。

 

講演

講演パートは、オンライン配信を併用したハイブリッド形式で行われました。先生方から以下の内容でご講演がありました。

  • 東北大学小児科 植松有里佳先生:「先天性大脳白質形成不全症の病態」
  • 自治医科大学小児科 三谷忠宏先生:「診断と治療の理解に必要な遺伝の話」
  • 福島県立医科大学小児科 田畑健士郎先生:「大脳白質形成不全症の疫学と臨床」
  • 国立精神・神経医療研究センター 井上健先生:「先天性大脳白質形成不全症の治療法開発の現状」
  • 望月外科医院 望月葉子先生:「子どもから大人への医療への橋渡し:成人移行支援」

先生方からは、病態や疾患の歴史、疫学、そして治療法開発の進捗について丁寧な解説があり、参加されたご家族も真剣に耳を傾けていました。今回のテーマである「トランシジョン」に関しては、成人移行支援の現状や、学会・研究班の取り組み、「希少神経難病・知的障害の成人移行支援の手引き」のガイドラインも紹介されました。このような指針はご家族にとって大きな支えになると感じました。

また今回は、看護大学の学生ボランティアの皆さんの協力により、講演の間、患者さんやご兄弟は体育館でアクティビティを楽しむ時間も設けられていました。親御さんが安心してセミナーに集中できるよう、会全体に温かい工夫が施されていたことも印象的でした。

講演パートの様子

茶話会

講演後には茶話会が開かれ、駄菓子や全国各地のお菓子を囲みながら、皆さんが和やかな雰囲気で交流されていました。

Innovation for NEW HOPEプロジェクト運営企業から参加したメンバーにとっても、昨年度ご挨拶したご家族や先生方との嬉しい再会があり、心温まる時間となりました。

ご家族からの質問に回答する小坂氏

家族会の皆さんの優しさや前向きな姿に触れ、「日本で最先端の治療法が1日も早く、継続的に届く社会」の実現に向けた想いを新たにしました。Innovation for NEW HOPEプロジェクトを通じて、日本の新薬開発がさらに進み、様々な課題が解決に向かうよう、これからも取り組んでまいります。

 

わたしたちがまずできること、それは疾患を「知る」ことだと思います。
本記事が「先天性大脳白質形成不全症」を知っていただく第一歩となれば嬉しく思います。

 

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※主催:先天性大脳白質形成不全症リサーチネットワーク 「遺伝性白質疾患・知的障害をきたす疾患の医療水準の向上と療養に資する研究システムの構築」研究班 「未分類の新規先天性大脳白質形成不全症の臨床遺伝疫学情報の収集によるエビデンス創出研究」研究班、先天性大脳白質形成不全症家族会